晩 餐 会

オレのブログって、晩餐(ヴァンサン)の取扱説明書みたいなもんだからな。

【アルバム紹介】ENDEAVORR/MAPLEZ(ひろしまMAPLE★S)

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ENDEAVORR/MAPLEZひろしまMAPLE★S

第一回はどうしようか悩んだけど、結局この一枚でした。

僕は音楽ネタに関しては、アイドルオタク・アニメオタクである以上に、ロックオタク(特に洋ロック)であると自負しています。

何も世の中のロック評論家や、アマチュアでも名盤レビューブログをやっていらっしゃる方に知識量で勝負を挑もうとしているわけではありません。

ただ僕のオタク具合が ロック>その他 という構図なだけです。

なので、このブログでレビューするアルバムの一枚目は一番大好きなロックバンドのアルバムの予定でした。

高校生の頃から、今でも聴かない日は無いくらいのアルバムです。

しかし先日参加したTOKYO IDOL FESTIVALで、毎年会えていた彼女達に会えなかった。その違和感が、僕を心変わりさせました。

解散してしまったけど、すばらしいアイドルがいたことを知ってほしい。

MAPLEZ(メイプルズ) 公式サイト

先日7月29日、惜しまれつつ解散してしまったアイドルユニット「MAPLEZ」。

広島県ローカルアイドル、所謂ロコドルです。

LinQ、HR、ひめキュンフルーツ缶山口活性学園、ミライスカート、大阪☆春夏秋冬などと共に西日本ロコドル黄金時代を築き上げたアイドルでもあり、僕の1推しでした。

今回紹介するアルバムは彼女達が「ひろしまMAPLE★S」名義に出した「ENDEAVORRR」という作品です。

それでは、どうぞ、ご欄ください。

アーマーゾーン

視聴はここから

1. 4112(SE)
2. アイソレーター
3. ENDEAVORRR
4. BLAST×BLAST
5. 恋のセンセーション
6. Boom! Boom! Miracle Emotion
7. BRIGHT!!
8. RPM
9. トキメキ!とまどい?Nightmare♪
10. 乙女達のアンビシャス
11. Never Ever
12. ウルトラネイビー
13. でこぼこ道~きっと忘れない~

【よさみ1】曲が良すぎる。

アイドルとは言え音楽アルバムである以上、これが真っ先に出てなんぽじゃないでしょうか。

MAPLEZは2ndシングル「恋のセンセーション」以降、Oscillophoneというサウンドチームの楽曲で勝負してきたのですが、これがもうアタリしかないんすよほんまに。

サウンドプロデューサーのマツモトマサヤ氏は天才です。

毎度こんなに継続してヒット打ち続けられる人おらんやん。そんなんできひんやん普通。

まがいなりにも(ジャンルはまたいでますが)数万曲は聴いてきた男なので、「曲の良さ」ってのはすぐ気づきました。

EDMというジャンルは一辺倒なユーロビート調になりがちなんですが、このアルバムの収録曲は全てキャッチーかつドラマティックな展開を持っており、一曲一曲個性があります。

そしてその個性達が高いレベルで統一感を持っているので、気づかないうちに何周に渡っても聴きこんでしまうのです。

【よさみ2】サウンドが心地よい。

電子音というと長時間聴くと聴き疲れが起きてしまうイメージがありますが、このアルバムは絶妙に耳に心地よいデジデジ具合とシンセのフヮ~感が漂っています。

ギターリフでエモさを醸し出すのはよくあるアイドルですが(それが悪いわけではありません。僕も大好きです。)、このサウンドチームのギターはいい意味で添え物です。

だからザラつかない。奥行きを持ったまま、まるでライブハウスに今まさに自分が佇んでいるような空間性を持ったサウンドなんです。

ドラムの「打ち込みッ!」って感じの、思わず身体が縦揺れしてしまうようなビート感も心地良いですね。

現在ヲルタナティブに完全移籍した小泉明音を始めとして、歌い手も全盛期メンバーなので、当時の彼ら・彼女達にしか作れなかった作品と言えるでしょう。

歌詞も、ちょっとPCに詳しい人ならニヤリとしてしまうIT用語が含まれているのが面白いです。

【よさみ3】沸く

キャッチーかつドラマティック、ライブでの披露を念頭に置いたかのような曲作り。

オタクが興味を示さない筈もなく…。

ライブでのMAPLEZオタク達の熱さったらないです。

勿論このアルバム以降の曲もセトリに入るのですが、あくまでこのアルバムが主力と言い切れるでしょう。

アイドル現場全体に言えることですが、あのみんなで必死になってバカやってる感が楽しいんですね。

そしてその感覚はメンバーとオタクが共同で作り上げるもの。

その媒介役として、このアルバムの果たした意味は非常に大きかったと思うのです。

 

まあまあ頻繁に人の入れ替わりがあったアイドルでしたが、その度に残ったメンバー達は「また盛り上げていこう」と気持ちを切り替えて頑張っていました。

そしてオタク達も、それに慣れてというのも変な話ですが、「メンバーがオタクが悲しまないよう気を使ってるんだから、オタクもメンバーを悲しませないように盛り上げていこう」っていう、良いのか悪いのか分からないループがあったのも事実です。

完成度や雰囲気の違いはあれど、「同じ曲」を合言葉にして、何度もメンバーとオタクは一つになることができたんですね。

このアルバムは、離れそうになるメンバーとオタクの心の繋ぎとめる楔でもあったんですね。

【この曲を聴け!】

代表曲である「RPM」と言いたいところですが、

明確にこのアイドルの方向性が固まった曲という意味合いも含めて、「恋のセンセーション」を聴いてほしいです。

爽やかなEDMってなかなかないじゃないですか。

たぶんアイドルだけじゃなく、現代のアーティストでこのテイストの曲作る人っていないんじゃないかな…。

なんていうか、「似てる曲がない」。

【個人的な話】

僕は瀬戸内海沿岸が好きで、特に広島県は将来移住してみてもいいかなと思うくらい惹かれている県です。

学生時代青春18きっぷで広島を一人で巡ったこともあります。

そんな「広島県」というバイアスがかかった状態で見る彼女達は、僕にとってはすごく輝いて見える存在でした。

 

振り返ってみると、このアルバムの曲はここ数年の僕の思い出と少なからずリンクしていました。

横浜で教師をしていた友人が、心身を病んでしまいやむを得ず地元に戻ると言っていた際、一緒に酒を酌み交わしながら聴いていた曲が「RPM」でした。

 

社会人になって前職を続けられる自信が無くなり、一度トロピカル無職になってしまった期間もありました。

会社を辞めた勢いで、秋葉原の家からチャリンコ(ロードバイクとかクロスバイクではない ※ここ重要)で伊豆半島を一周しに行ったこともありました。

炎天下の中、足を吊りかけつつ登り切った霧香峡から伊豆縦貫自動車道を下る際、BGMにしていたのは「恋のセンセーション」でした。

今でもこの曲は勝手に僕の中で伊豆の美しい海と山と、下り坂で全身にぶち当たってきた熱風の記憶とリンクしています。

 

ITエンジニアという進路を見つけ、就職の為にプログラミングを学んでいる間、自分への応援歌としてリピート再生していた曲が「ENDEAVORRR」(直訳で<努力する>)でした。

 

新しい職場で心機一転、次のキャリアをスタートさせようと決めた日。

通勤中の京浜東北線で聴いていたのは「ウルトラネイビー」でした。

 

昨年のTIF2017で、人生で一番沸いたと言い切れる曲が「BLAST×BLAST」でした。

(あの時一瞬天国見えかけたもん。金色の雲の切れ間に白い宮殿がある感じの)

 

解散してもこのアルバムを聴かないことはありません。

むしろ解散してからもっと聴いてます。

もっと無理してでも、時間体力金銭を工面して彼女達の現場へ足を運ぶことができたのではと後悔することもしばしばです。

ただ、僕が今までもこれからも一番夢中になったアイドルのCDはコイツです。

 

人生の良かった瞬間を思い出すと、必ずその時に好きだった曲があるんだ。

もしくは、特定の曲を聴くと、人生のある時期を思い出すね。

それが悪い時期だったりもするんだけど、僕にとって音楽は人生のサントラに近いんだ。

   トレント・レズナー

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